プラモデル初心者の方向けに、なるべく少ない手間と道具で完成させるをモットーにお送りする「作ってみよう♪」のコーナー。
今回はガンプラを簡単フィニッシュで作ってみたいと思います。
よく「簡単フィニッシュ」とガンプラでは聞くことが有ると思いますが、その意味はもともと色分けされているガンプラの成型色を生かしつつ、少しだけ手を加えてストレートに組むよりワンランク上の完成度にする!といったところでしょうか。
HGAC リーオー
今回はガンプラの中でも比較的気軽に組めるHGシリーズの中から、リーオーを作ってみます。
新機動戦記ガンダムWに登場した量産型モビルスーツですね。
ま、ファーストガンダムにおけるザクみたいな役どころのMSです。
キットは同じバンダイの30MMシリーズと同じく、作りやすさを考えたパーツ構成とランナー配置で組み立てにストレスが有りません。
簡単フィニッシュを試すのにも持って来いのアイテムですね!
キット内容
ランナーはメインになるのは3つだけです。
それにプラスしてポリキャップと、ビームサーベルが付属。
見た目からも簡単に組めそう♪
説明書を見るとランナーは作る部分によってランナーの一部に集められています。
もともと少ないパーツの上に部品を探して、ランナーを探す手間も有りません。
少ないパーツ数だからこそ出来るのかも知れませんが、MG(マスターグレード)クラスのキットでもこうして欲しい所です。
組立
では早速組んでいきましょう。
簡単フィニッシュは初心者向けの組み方ながら、その作り方は奥が深くパーツの切り出し方一つでも完成度は変わってきます。
という私も本当は苦手なのですが、成型色を生かして作る場合パーツはなるべく綺麗にランナーから切り離さなければいけません。
雑に切り離せばパーツがえぐれたり、白化したりとパテや塗料を使って作れば修復できる事も、簡単フィニッシュではできません。
まずは慎重にパーツを切り出す事から始めましょう。
パーツの切り取り方
パーツを傷めない為には、まずはパーツから少し離れた場所でランナーからカットしましょう。
いきなりパーツとのギリギリを狙って切ると、パーツがえぐれたりパーツ自身を切ってしまう恐れがあります。
次に今度はほんの少しゲート痕が残るぐらいの位置でカットします。
よく切れる薄刃のニッパーならばこの時点でギリギリでカットしても大丈夫な事も有りますが、万全を期すならばもうひと手間を惜しまない事です。
ほんの少しだけ跡が残りました。
この位が適切な残し具合でしょう。
この痕をよく切れるナイフで慎重に切り落とします。
その後800~1000番位のペーパーなりスポンジヤスリなりで均せておけば大丈夫です。
組み立てのコツ
近年のガンプラはスナップキットと言って接着剤を使わず、パーツ同士のダボを差し込む事によって組み立てて行きます。
ただ組むだけなら問題ないのですが、後でばらしたりする時はそのままだと外すのに相当苦労します。
またエナメル系の塗料(プラスチックを脆くする性質が有る)でスミ入れしたりすると、そのダボを差し込む負荷の掛かっているところはアッサリと割れてしまったりします。
そこで差し込まれる側の穴に、ニッパーで切れ目を出来るだけ深く入れておくとそれらの事故を防ぐことができます。
これは全塗装して仕上げる場合でも使えるテクニックですのでおススメしておきますね!
パーティングラインの処理
パーツには成型の都合上、設定には無いラインが出来てしまっている物が有ります。
こういう所を処理しておく事で仕上がりが変わってきます。
やる事は特に難しい事ではなく、最近のガンプラなら600~800番位のヤスリ等で均してラインが見えなくなるまで擦るだけです。
多少擦り傷が残ってしまいますが、その後の工程で処理できますのでここはそのままとします。
組立完了
以上の事に気をつけて組み立ては完了しました。
この時点では、カメラ部分の透明パーツは付けずにおきます。
合わせ目の処理
さて、形にはなりましたがプラモデルはパーツ同士の合わせ目が、設定には無い所にラインが出来てしまったりします。
装甲の合わせ目として解釈しても良いですが、気になるならば処理しておきましょう。
色々と方法は有りますが、一番スタンダードな方法としては・・
粘度の高い接着剤を接着するパーツの両方に多めに塗りつけて、少々時間が経って表面が少し溶けてきたかな?という所でパーツをくっ付けます。
パーツをぎゅ~っと挟み込んで、余分な接着剤が少々はみ出す位が丁度よいです。
プラ同士が溶け合って一体となり、合わせ目が消えます。
その後一日ほど経って完全硬化したらはみ出た接着剤を削り落とします。
そんなに待てな~いっていう方は、合わせ目がピッタリの出来の良いキットならば速乾の流し込み系接着剤を利用するのも手です。
乾いた後にすぐにヤスリで削っても・・・
このようにほとんど分からなくなってしまいます。
最近のキットならほとんどコレで行けちゃうんじゃないでしょうか。
スミ入れとトップコート
合わせ目の処理が終わったら、スミ入れの前に水性アクリル塗料艶有りのクリアーで全体をスプレーしました。
この工程は端折っても良いのですが、スミ入れを綺麗に拭き取りたい場合は表面が艶有りの方が好都合です。
細かい擦り傷もクリア塗料によってうめられ艶が戻りました。
今回はタミヤのスミ入れ塗料のダークグレイ、ブラック、ブラウン等を使いました。
パーツがグリーンの所にはダークグレー、グレーの所にはブラック、レッドの所にはブラウンという具合にあまりコントラストがきつくならないよう注意して行いました。
まあ持っているので使いましたが、まず一つだけならブラックでスミ入れしてみて、その後いろいろ試すのがよろしいかと思います。
タミヤのスミ入れ塗料は、乾燥後に綿棒にエナメル溶剤を染み込ませはみ出た分をふき取ります。
その後、最後に艶消しクリアーを吹き付けて塗装工程は終了です。
カメラ部分に一工夫
さて最後にカメラ部分のクリアーパーツをはめ込んで仕上げとしますが、ここで少しだけ手を入れておきましょう。
そのままパーツをはめ込んでも、少しインパクトに欠けます。
少しでも光を反射させて明るくするために裏をシルバーで塗装しても良いのですが、もっと簡単にピカピカのテープ「ラピー」を使います。
このテープは裏の糊面も綺麗なシルバーなので、直接透明パーツをこのテープに貼りつけ、パーツ大に切り出します。
完成すると光を反射し、ピッカリと!
そのままはめ込むより見栄えが良いですね。
リーオー完成!!
今回は初めての簡単フィニッシュという事で、この辺りで完成とします。一部を塗り分けたり、デカールを貼ったり等、まだまだ手を入れられるところは有りますが、今後試してみようと思います。
この方法でどこまで完成度を上げられるか?試してみたいですね。
まとめ
以上、バンダイ HGAC リーオー簡単フィニッシュ仕上げでした。
今回シンプルな構成と、パーツの色もスミ入れが映えそうという事でリーオー製作してみましたが如何だったでしょうか?
全塗装しなくとも、まだまだ手を入れられる所は有りますし、拘ろうと思えばいくらでも楽しむ余地は有ると思います。
お手軽なイメージの反面、基礎工作力を試される部分も有り、この製作法も奥が深いと感じました。
まだまだストレートにしかガンプラを組んだ事が無い方は、一度トライしてみるのも良いのではないでしょうか?