パンサーD型 3色迷彩塗装とウェザリング
さて、前回手直ししたキューポラも綺麗になったので続きをやっていきます。
大戦中のドイツ戦車でよく見られた3色迷彩を施していきます。
単色塗装に比べて面倒だし、やった事が無いと上手くいくか分らないので躊躇してしまうかもですが、実車も結構適当に塗装されてる感じなので、あまり深く考えずキット付属の塗装例などを見て真似する事からやってみると良いでしょう。
今回は万が一気に入らなかった場合でも、リカバリーしやすい方法で塗装していきます。
前回の記事はコチラから・・
水性アクリルで迷彩を塗装
さて、まずはきっと指定のダークグリーンの部分ですが画像の三色とリターダーを混色し使用します。
使用するのはタミヤ 水性アクリル塗料です。
・XF-89 ダークグリーン2
・XF-57 バフ
・X-22 クリアー
塗料は実際のところ、自分のイメージに合えば何でもいいんですが今回は参考にしたモデルグラフィックス2023年1月号を真似ていきます。
ダークグリーン2をベースに、ホワイトを混ぜて明るくした下地のダークイエローと違和感の無いようにバフを混ぜて明るめに調色します。
また、どうしても淡い色の上に濃い色をエアブラシで吹き付けると、塗料が飛び散り汚れてしまいます。
それを少しでも軽減するためにクリアーを混ぜていきます。
あと、タミヤアクリルは塗料の粒子が荒めなのと、迷彩塗装は時間が掛かるので、乾燥しエアブラシのノズル詰まり防止のためにリターダーを混ぜました。
ネットや模型雑誌などでは有名な話ですが、水性塗料は乾燥した後でもマジックリン等の洗剤で擦ると綺麗に剥がすことができるからです。
この特性を利用すると、マスキング等の手間を省けたりしますし、結構便利です。
色合わせの様子を見るため、シュルツェンの裏に試しに吹いてみたダークグリーンをマジックリンを染み込ませた綿棒で擦ると・・
このように剥がす事が出来ました!
簡単にリカバリー出来るので、安心して迷彩にチャレンジできると思います。
塗装してみましたが、下地色とのバランスも良く、なかなかうまくいったと思います。
ただ前回も言いましたが、迷彩を施すと多少下地のダークイエローでグラデーションを付けても、ほとんど分からなくなってしまうのが寂しい所(笑)
スポットイエローを全体に薄く塗って色味を統一しました。
これで、かなり色のバラつき感を軽減できるのでお勧めです。
画像では分かりにくいかもですが、イエローのフィルターによってかなり鮮やかさと、色の統一感ができました。この段階で半艶消しのクリアーを塗装し今までの塗装を保護しました。
デカールの貼り付け
無くても良いけど、あれば便利なグッズであることは間違いないですね。
キットは、デコボコした所はデカールも分割されてセットされていますが、やはり簡単には馴染まないですしここで失敗するとテンション下がっちゃいますからね。
デコボコした所は、デカール貼った後に蒸しタオルで軽く押さえたり、マークフィット等のデカール軟化剤を使用してしっかり密着させましょう。
使用法は簡単で、貼ったデカールの上に多めに塗り付け、乾燥するまで放っておくだけ。
多少シワシワニなったりしても、手を付けず放置しておきます。
一度でダメなら密着するまで繰り返します。
密着し完全乾燥した後は、その部分をもう一度水性の半艶消しクリアーを掛けて保護しておきます。
チッピングで傷を書き込む
さてお次は楽しいチッピング作業の開始です。
今回は比較的お気軽に、かつリアルに傷跡の再現できるガンダムマーカーのリアルタッチマーカーのブラウンを使用します。
また、やり過ぎた~とか思ったらすぐに同じくぼかしペンを使用してぼかせば、それはまたそれでいい感じになるという一石二鳥です。
主に角になる部分にチョンチョンと書き込んでいきます。
ペンで直接も良いですし、スポンジを少しちぎって塗料を付けてポンポンと叩き付けてもリアルな剥がれが再現できますね。
注意点としては、ぼかしペンは早めに使わないとぼかしにくくなってしまう事。
私は後から直せばよいと、完全に乾いてからぼかそうとして消えずに苦労しました。
排気管はスポンジで粗目に剥がれを書き込みました。
ピンウォッシュでエイジング処理を
さてお次はスミ入れとウォッシングを兼ねたピンウォッシュを行っていきます。
こちらはウェザリングカラーのシェイドブラウンとグランドブラウンを1対1で混ぜて使います。
濃ければ専用薄め液で調整します。
この色を車体の凹んだ部分や、汚れの溜まりそうな所へ書き込んでいきます。
その後、薄め液を染み込ませた筆でぼやかして引き延ばしたり、また濃すぎたところを拭き取ったりしながら好みの雰囲気になるまで繰り返します。
排気管の錆を再現
さて先程チッピングを施した排気管を本格的に錆びさせます。
やり方は簡単でこちらもウェザリングカラーのステインブラウンとラストオレンジを使用するだけ。
下地の残るようランダムにステインブラウンを塗りつけたら乾燥するまで放置。
その後薄くラストオレンジを塗れば雰囲気よく錆びてくれます。
ガビガビに錆びたマフラーの感じが出たと思います。
予備履帯は濃いグレーなどを基本として塗装します。
私はガイアカラーのサーフェイサースーパーヘビーそのままで使用しました。
その上からマフラーと同じように塗装することによって、鈍く錆びた鉄の塊を表現できます。
仕上げには、鉛筆等で角を擦って鈍い銀色を出すと雰囲気出ます。
足回りの塗装とウェザリング
転輪の数が多いのがパンサーやタイガー戦車などの特徴ですが、塗り分けが大変なのが玉にキズ。
そこでゴム部分を塗った後はハセガワの金属製テンプレートを使用して、一気に塗り分けてしまいましょう。
その後は車体上部と同じ要領でピンウォッシュしてやれば雰囲気よく仕上がります。
お次は履帯を塗装。
薄く錆びた状態を出したかったので、モデルカステンの履帯色にNATOブラウンを混ぜて使用しました。
ウェザリングは右のマテリアルから順に使用しました。
1・ウエザリングペイントをアクリル溶剤で溶いて全体に塗りつける。
2・各種ウェザリングカラーを筆ではじいてランダムに塗り付け。
3・ウェザリングマスターを全体にまぶして埃っぽく
これだけ工程を重ねると自然な汚れになってきます。
もう少し派手目に汚しても良かったかもですが、今回は控えめに・・
後は接地面をタミヤのペイントマーカーシルバーを使い、銀色を再現。
紙にペイントマーカーを塗って、履帯を擦りつけ一気に仕上げました。
可動履帯を使ったことでリアルな弛みの再現と塗り分けが出来ました。
組立の苦労が報われた瞬間ですね!
雨だれの再現
おっと、忘れておりました!最後の仕上げに雨だれを書き込んでいきます。
こちらもステインブラウンを使用し、細筆で上から下に汚れが流れそうな所を想像し書き込みます。
被弾したり、ぶつけて付けた傷などからも雨だれは出来るので強弱、長短取り交ぜて書き込んでいきましょう。
乾いたら、溶剤含んだ筆で薄くなるようぼかしていけば完成です。
パンサーD型 完成
さて、だいたいの工程は以上で終了です。
後は気になる所をもう少し手を入れ、満足いくまで時間を掛けて汚したいと思います。
次回、完成編でお披露目します。
ではまた次回、最後までありがとうございました。